血管という寿命時計

最近の研究で、動脈硬化が私たちの寿命そのものを決めているのではないかという仮説が出てきました。

私たちの細胞の染色体(DNA を含む、遺伝情報の発現と伝達を担う物質) の末端には、「テロメア」という小さな構造物があります。テロメアは細胞分裂を繰り返すたびに少しずつ短くなっていき、一定の長さになると、それ以上は細胞分裂しません。細胞の寿命を決める「寿命時計」といえるものです。

さまざまな研究で、動脈硬化を起こしている血管の細胞は、そのほかの場所にある細胞よりも、このテロメアが明らかに短くなっていることがわかってきました。そもそも、動脈硬化が進行している血管では、その場所の細胞が傷つけられているため、ほかの細胞よりも頻繁に修復や再生が繰り返されています。

新陳代謝が激しいため短期間で細胞の寿命を迎え、テロメアが短くなるのではないかと考えられています。テロメアが短くなりきって寿命時計のリミットがきてしまうと、その細胞はそれ以上、再生しなくなります。修正されないままの細胞に刺激が加わると、そこが破れて血栓をつくり、深刻な血管事故を起こしてしまう危険性が高くなります。

ここから血管の動脈硬化が、私たちの寿命の一部を決めているという仮説が成り立つ、と考えるのはちょっと拡大解釈かもしれません。でも、「血管力」を上げて動脈硬化の予防に取り組むことが、私たちの健康寿命にも直結しているという最新の研究結果を知ると、「血管力」にますます興味を持っていただけるのではないでしょうか。

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