黒板をこするイヤな音

カンファンレンスの時にイスをひとつの机に寄せてみんなで座るのだけれど、どうしても2つだけ「キーッ!」とイヤな音がする。あの音を聞くと寒気がしてブルブルする。

このイスの音と同じように嫌いな音の代名詞のようにいわれる、黒板を引っかいたときの「キー」という音。音響学的な研究によると、90%以上の人が、この音を聞くと本能的に不快を感じるという。それほどまでに人が嫌がるのは、あの「キー」という音が、人間の脳が記憶している危険なシグナルと同じだからともいわれている。黒板の引っかき音は、サルが仲間に危険を伝達するときに発する叫び声の声紋と類似しているという。
黒板の引っかき音を聞くことによって、人は先祖がサルだったころの記憶がよみがえり、不快を感じるというのである。
生命の存続にかかわるかもしれない大切な情報を知らせるために、耳につくよう、不快な音を出していると考えれば、たしかにこの説は理にかなっている。
一般に、音を聞いて、快く感じるか、不快に感じるかは、音がもっている波形と深い関係がある。人間が不快を感じるときの音は、波形に規則性がなく、複雑に変化している。黒板を引っかくような音の波形は、複数の音が混在して、波形もかなぎわり乱れている。このことからも、引っかき音が、耳障りで不快な音だということがわかる。黒板の引っかき音のように、物と物が摩擦を起こしたときに出る音のことをスティックスリップ音というが、黒板を引っかく音といい、プラスチックや発泡スチロすールの擦れる音といい、スティックスリップ音には不快な音が多いのだそうだ。

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